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犬のヘルニアの再発リスクを減らすには?段差・ジャンプ・抱っこ・体重でできる工夫
「手術が終わったから、もう安心ですよね?」
「症状が落ち着いたので、以前と同じ生活に戻しても大丈夫ですか?」
犬の椎間板ヘルニアを経験した飼い主様から、このようなご相談をいただくことがあります。
症状が改善するとほっとしますが、椎間板ヘルニアは、一度落ち着いたあとも再発する可能性がある病気です。これは手術を受けた子だけでなく、内科治療で回復した子や、軽い症状で落ち着いた子にも当てはまります。
再発を完全に防ぐことはできませんが、床や段差、抱っこ、散歩、体重管理などを見直すことで、背骨への負担を減らせる可能性があります。
今回は、治療後の回復段階ではなく、普段の生活に戻ったあとも続けたい再発予防の工夫をご紹介します。
手術後の回復過程や安静期間、再発時に見られる症状については、こちらの記事で詳しく解説しています。

なぜ椎間板ヘルニアは再発することがあるの?
椎間板は、背骨と背骨の間でクッションの役割をしている組織です。
一度変性した椎間板が、元の健康な状態に完全に戻るわけではありません。また、最初に症状が出た場所とは別の椎間板にも、同じような変化が起こる可能性があります。
そのため、「治ったから以前と同じ生活に戻す」のではなく、回復後も背骨に負担をかけにくい環境を続けることが大切です。
滑りにくい床に整えましょう
フローリングは掃除がしやすい一方で、犬にとっては滑りやすい床です。走り出すときや方向転換をするときに足が滑ると、踏ん張るために背中や足腰へ余計な力がかかります。
後ろ足が横に開く、爪を立てて歩く、曲がるときに滑るといった様子が見られる場合は、マットやカーペットなどで対策しましょう。
家中に敷くのが難しい場合は、犬がよく過ごす場所や、次のような動きの多い場所から始めると取り入れやすくなります。
・勢いよく走り出す場所
・ソファやベッドの前
・廊下や曲がり角
・食事場所や水飲み場の周辺
マットは滑りにくさだけでなく、ズレにくいことや、爪が引っ掛かりにくいことも確認してください。
段差や飛び降りを減らしましょう
ソファやベッド、車などへの飛び乗り・飛び降りでは、着地したときに体へ衝撃が加わります。階段や玄関の上がり框など、日常的に使う段差にも注意が必要です。
よく上り下りする場所には、傾斜の緩やかなスロープや低めのステップを設置するとよいでしょう。十分な幅があり、表面が滑りにくいものを選ぶことが大切です。
ただし、設置しただけでは使わず、横から飛び降りてしまう子もいます。おやつなどを使いながら、落ち着いて通る練習をしましょう。
階段にはゲートを設置し、犬が自由に上り下りできないようにする方法もあります。
ジャンプや二足立ちを別の行動に置き換えましょう
犬はうれしいときに飛び跳ねたり、おやつを欲しがって二足立ちになったりすることがあります。しかし、急に飛び上がる動きや、後ろ足だけで立つ姿勢は、背中に負担をかけることがあります。
おやつは立ち上がらなくても届く位置で与え、抱っこの前には一度落ち着かせましょう。来客時に興奮しやすい子は、ゲートやリードを使って少し離れた場所で迎える方法もあります。
すべての行動を厳しく禁止するのではなく、座って待つなど、負担の少ない行動へ置き換えていくことが大切です。
体を安定させて抱っこしましょう
椎間板ヘルニアを経験した犬では、抱き上げるときに体を大きく曲げたり、ひねったりしないように注意します。
片方の手で胸の下を、もう片方の手で腰から後ろ足を支え、体全体が安定するように抱き上げましょう。
前足の脇だけを持つ、後ろ足をぶら下げる、片手で不安定に抱えるといった方法は避けてください。降ろすときも途中で飛び降りさせず、四肢が床につくまで支えます。
犬の体格や症状によって抱きやすい方法は異なるため、不安がある場合は、診察時に実際の抱き方を確認しましょう。ご家族の中でも抱き方を共有しておくと安心です。
遊び方を見直しましょう
回復後も、その子の状態に合った遊びを楽しむことは大切です。
ただし、高い場所から飛び降りる遊びや、急な方向転換を繰り返すボール遊び、体を大きくひねる激しい引っ張り合いなどは、負担になることがあります。
知育トイやおやつ探しなど、鼻や頭を使う遊びであれば、体への負担を抑えながら楽しめます。
遊びをやめるのではなく、愛犬が無理なく続けられる内容に変えていきましょう。
散歩は安定して歩ける内容に調整しましょう
ここでは、術後や内科治療後にいつから運動を再開するかではなく、獣医師から通常の散歩を許可されたあとの工夫をご紹介します。
必要以上に運動を減らすと、筋力が落ち、体を支えにくくなることがあります。その日の体調や筋力に合わせて、無理のない範囲で散歩を続けましょう。
急な坂道や大きな段差、足元が不安定な道は避け、落ち着いて歩けるコースを選びます。一度に長く歩くより、短い散歩に分けたほうが負担を抑えられる子もいます。
散歩用品は、急に引っ張ったときに体へ強い力がかからず、安定して歩けるものを選びましょう。ハーネスを使用する場合も、脇に食い込まないか、体の中でズレないか、着脱時に無理な姿勢にならないかを確認してください。
散歩中だけでなく、帰宅後や翌日の歩き方も確認し、疲れが残っている場合は運動量を見直しましょう。
適正体重を維持しましょう
体重が増えると、その分だけ背骨や椎間板にかかる負担も大きくなります。
適正体重は犬種や骨格、筋肉量によって異なるため、体重の数字だけでは判断できません。肋骨に軽く触れられるか、上から見たときに腰のくびれがあるかなど、体つきも確認しましょう。
おやつやトッピングも一日の食事量に含め、ご家族の誰がどのくらい与えたかを共有すると管理しやすくなります。定期的に体重を測り、記録しておくことも大切です。
減量が必要な場合も、激しい運動だけで体重を落とそうとせず、食事内容や量を見直しながら無理なく進めましょう。
「再発かな?」と思ったら早めにご相談ください
生活に気を配っていても、再発を完全に防ぐことはできません。大切なのは、普段との違いに早く気づくことです。
抱き上げたときに痛がる、歩き方が変わった、足を引きずる、立ち上がりにくいといった変化が見られた場合は、早めに動物病院へご相談ください。
必ずしも椎間板ヘルニアの再発とは限りませんが、神経や関節など、別の病気が隠れていることもあります。
初期症状や受診を急ぎたいサインについてより詳しく知りたい方はこちら
また、椎間板ヘルニアでは、症状や重症度に応じて内科療法が選択されることもあります。
犬の椎間板ヘルニアにおける内科療法についてより詳しく知りたい方はこちら
とがさき動物病院では、予約なしでも診察を行っています。歩き方や生活環境について気になることがありましたら、ご相談ください。
まとめ
椎間板ヘルニアの再発を完全に防ぐことはできませんが、滑りにくい床に整える、段差やジャンプを減らす、体を安定させて抱っこする、適度な運動と体重管理を続けることで、背骨への負担を減らせる可能性があります。
すべてを一度に変える必要はありません。愛犬がよく過ごす場所や毎日の動き方を確認し、できることから始めましょう。
当院では2026年6月現在、全国で25名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
椎間板ヘルニアについてお困りの際は、当院へご相談ください。
■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください
埼玉県三郷市・吉川市・八潮市・越谷市で神経疾患・整形疾患の診療を受けるなら
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監修:とがさき動物病院 院長 灰井康佑|最終更新:2026-08-04
