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犬のふらつき・異変は動画で残す|神経症状を見逃さない観察ポイント

2026/05/25

〈この記事でわかること〉

この記事では、犬のふらつきや神経症状に気づいたときに、どのような様子を観察し、動画に残すとよいのかを解説します。
また、動画撮影のコツや、早めに動物病院へ相談したい症状についても紹介します。

内容 ポイント
動画が役立つ理由 診察時に症状が出ていない場合でも、普段の様子を伝えやすくなる
観察したい症状 歩き方、バランス、反応、目や顔の動き、発作の様子など
撮影時の注意点 無理に歩かせず、犬に負担をかけない範囲で撮影する
受診の目安 立てない、意識がはっきりしない、呼吸が苦しそうな場合は受診を優先する

 

「家ではふらついていたのに、病院に着いたら普通に歩いている」
「さっきまで様子がおかしかったのに、診察室では落ち着いている」

愛犬の異変に気づいて動物病院を受診したとき、このようにもどかしく感じたことはありませんか。

犬の神経症状は、常に同じように出るとは限りません。そのため、診察時に症状が確認できないこともあります。
このようなときに役立つのが、スマートフォンなどで撮影した動画です。

今回は、犬のふらつきや神経症状を見逃さないために、観察したいポイントと動画撮影のコツをご紹介します。

■目次
1.なぜ動画が診察で役立つのか
2.神経症状は「動き」「バランス」「反応」に現れます
3.動画撮影のコツ
4.受診の目安
5.まとめ

 

なぜ動画が診察で役立つのか

犬の神経症状は、診察室で再現できないことがあります

自宅ではふらついていたのに、病院ではしっかり立っているように見えることもあります。反対に、怖がって動かなくなり、普段の歩き方が確認しにくい場合もあります。

獣医師が神経症状を確認するときは、単に「歩けるかどうか」だけを見ているわけではありません。
たとえば、次のような点を確認します。

・足の運び方に左右差があるか
・体がどちらかに傾いていないか
・歩き始めや方向転換でふらつかないか
・呼びかけへの反応に変化がないか
・症状が出るタイミングに特徴があるか

こうした情報は、言葉だけで説明するのが難しいことがあります。
そのため、飼い主様からの「変な歩き方をしていた」「ぼーっとしていた」という説明に加えて動画があると、実際の動きや症状の出方を確認しやすくなります

もちろん、動画だけで診断が決まるわけではありません。
しかし、診察で確認すべきポイントや検査の方向性を考えるうえで、大切な手がかりになることがあります。

 

神経症状は「動き」「バランス」「反応」に現れます

神経は、脳や脊髄からの指令を体に伝えたり、体からの情報を脳へ戻したりする役割を持っています。

そのため、神経にトラブルが起こると、歩き方、姿勢、顔や目の動き、意識の状態などに変化が出ることがあります。

ただし、飼い主様がその場で「これは神経の病気だ」と判断する必要はありません。
大切なのは、いつもと違う様子に気づき、できる範囲で記録しておくことです。

〈観察① 歩き方・バランスの異常〉

ふらつきや歩き方の変化は、神経症状に気づくきっかけになりやすいサインです。

次のような様子がないか確認してみましょう。

まっすぐ歩けているか
体が左右どちらかに傾いていないか
後ろ足がもつれていないか
足先を引きずっていないか
方向転換のときにふらつかないか
段差を嫌がるようになっていないか

椎間板ヘルニアなどで脊髄に負担がかかっている場合、足に力が入りにくい、足先の位置がうまくわからない、歩くときにふらつくといった症状が見られることがあります。

椎間板ヘルニアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください

〈観察② 行動・意識の異常〉

神経症状は、歩き方だけでなく、行動や反応の変化として現れることもあります。

たとえば、次のような様子が見られる場合は注意が必要です。

同じ場所をぐるぐる回る
壁や家具にぶつかる
ぼーっとしている時間が増えた
名前を呼んでも反応が鈍い
急に落ち着きがなくなる
部屋の中で迷っているように見える

名前を呼んだときの反応や、同じ方向に回る様子などが映っていると、診察時に状態を共有しやすくなります。

〈観察③ 発作・けいれんの様子〉

発作やけいれんのような症状は、診察時には落ち着いていることが多く、動画が参考になることがあります。

確認したいポイントは、次のような内容です。

全身がけいれんしているのか
顔や手足など一部だけが動いているのか
意識があるように見えるか
呼びかけに反応するか
どのくらいの時間続いたか
終わった後にふらつきや混乱があるか
よだれ、失禁、脱糞などがあるか

可能であれば、症状の始まりから終わった後の様子まで記録できるとよいですが、撮影よりも安全確保が最優先です。

犬の体を強く押さえつけたり、口の中に手を入れたりすることは避けましょう。
発作が長く続く、意識が戻らない、呼吸が苦しそうといった場合は、動画にこだわらず早めに動物病院へ連絡してください。

けいれんの原因や応急対応について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください

〈観察④ 目・顔の異常〉

目や顔の小さな変化は、見逃されやすいポイントです。

次のような様子がないか確認してみましょう。

目が左右や上下に揺れている
焦点が合っていないように見える
顔が片側に傾いている
片方のまぶたや口元の動きが違う
頭をまっすぐ保てない

目の揺れは「眼振」と呼ばれ、前庭疾患などで見られることがあります。
前庭とは、体のバランスを保つ働きに関わる部分です。異常が起こると、ふらつきや首の傾き、吐き気などが見られることがあります。

眼振について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください
前庭疾患について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください

ただし、目の揺れや首の傾きがあるからといって、必ず同じ病気とは限りません。
全身の状態や神経学的検査をあわせて確認することが大切です。

 

動画撮影のコツ

動画は、長く撮ることよりも「状態がわかるように撮ること」が大切です。

撮影するときは、次のポイントを意識してみてください。

明るい場所で撮る
歩き方を見るときは全身を映す
目や顔の異常はアップで撮る
正面、横、後ろなど角度を変えて撮る
症状が出た日時や状況をメモする

撮影しながら「朝の散歩後です」「ごはんの前です」「寝起きにふらついています」など、状況を声に出して記録するのも有効です。

声に出すのが難しい場合は、あとからメモに残しても構いません。
症状が出た時間、続いた時間、食欲や元気の有無、過去にも同じ症状があったかなどを記録しておくと、診察時に役立ちます

ただし、ふらついている犬を無理に歩かせたり、高い場所に乗せたり、階段を上らせたりする必要はありません。
撮影は、犬に負担をかけない範囲で行いましょう。

 

受診の目安

動画を撮ることは診察の助けになりますが「動画を撮ってから受診しよう」と考えて、受診が遅れてしまうのは避けましょう。

特に、次のような場合は早めに動物病院へ相談してください。

〈早めに相談したいケース〉

・ふらつきや歩き方の違和感が一度でもあった
・首の傾きや目の揺れが見られた
・呼びかけへの反応がいつもと違う
・同じような症状を繰り返している
・以前より症状が悪化している
・食欲や元気の低下を伴っている
・嘔吐や下痢など、ほかの体調不良もある

〈急いで受診したいケース〉

・立てない
・足に力が入らない
・強い痛みがありそう
・意識がはっきりしない
・発作が長く続く
・発作を短時間に繰り返す
・呼吸が苦しそう
・ぐったりしている

このような場合は、動画撮影にこだわらず、安全を確保したうえで早めに動物病院へ連絡してください

 

まとめ

犬の神経症状は、見逃しやすく、言葉で伝えにくいことがあります。
病院に来たときには症状が落ち着いていて、診察室では確認できない場合も少なくありません。

歩き方、ふらつき、首の傾き、目の揺れ、発作の様子、呼びかけへの反応など、気になる変化があれば、無理のない範囲で動画に残しておきましょう。

また「少し変かも」と感じたときは、その違和感を大切にし、早めにご相談ください。

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監修:とがさき動物病院 院長 灰井康佑|最終更新:2026-05-25

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