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犬の後ろ足が急に動かない…考えられる原因とすぐ受診したいケース
「さっきまで普通だったのに、急に立てなくなった」
「後ろ足を引きずっている」
「歩こうとしても、ふらついてしまう」
愛犬にこのような症状が突然見られると、「何が起きたのだろう」と不安になる飼い主様も多いのではないでしょうか。
犬の後ろ足が動かない原因は、骨や関節の異常、強い痛み、全身状態の悪化など、さまざまな原因が考えられます。
まずは、次のポイントを押さえておきましょう。
・急に立てなくなった、後ろ足をまったく動かせない場合は、早めの受診が必要です
・ふらつきや麻痺が短時間で悪化している場合は、神経の病気が関係している可能性があります
・神経、骨や関節、全身状態など、原因によって必要な検査や治療は異なります
特に神経の病気では、短時間で症状が進行し、治療を始めるまでの時間が回復に影響することがあります。そのため、「少し様子を見ても大丈夫かな」と迷うときこそ、早めに状態を確認することが大切です。
今回は、犬の後ろ足が急に動かなくなったときに考えられる原因や、受診を急ぎたい症状、動物病院で行う検査について解説します。

こんな症状は、早めに動物病院へ
犬の後ろ足に異常が見られたとき、特に注意したいのは、症状が突然現れた場合や、時間とともに悪化している場合です。
次のような症状がある場合は、早めに動物病院を受診してください。
・急に立てなくなった
・後ろ足をまったく動かせない
・後ろ足を引きずっている
・強い痛みで鳴く、震える
・排尿や排便がうまくできない
・数時間のうちに歩き方が悪化している
実際に、「朝はふらつきながら歩けていたのに、夜には立てなくなった」というように、短時間で症状が悪化するケースもあります。
このような変化が見られる場合は、翌日まで様子を見ず、できるだけ早く状態を確認することが大切です。
犬の後ろ足が動かない原因
「後ろ足が動かない」という症状だけで、原因を判断することはできません。
例えば、神経の異常で足に力が入らない場合もあれば、膝や股関節の痛みによって足を着けない場合もあります。飼い主様から見ると、どちらも「後ろ足をうまく使えていない」ように見えることがあるため、まずは原因がどこにあるのかを見極めることが大切です。
ここからは、犬の後ろ足が動かなくなる主な原因について詳しく説明します。
神経の病気
後ろ足の麻痺やふらつきがある場合は、脳や脊髄、末梢神経の異常が関係している可能性があります。
代表的な病気の一つが椎間板ヘルニアです。背骨の間にある椎間板が飛び出すなどして脊髄を圧迫すると、痛みやふらつき、麻痺などの症状が現れます。
そのほか、事故や転落による脊髄損傷、脊髄の炎症、腫瘍などでも後ろ足に麻痺が起こることがあります。
脊髄が強く損傷している場合は、その程度によって回復の見込みや治療方針が異なります。
骨や関節の病気
骨や関節に異常がある場合も、痛みによって後ろ足を着けなくなったり、立ち上がることが難しくなったりすることがあります。
代表的な病気には、次のようなものがあります。
・前十字靱帯断裂
・膝蓋骨脱臼
・股関節の病気
・骨折や脱臼
骨折や脱臼は、交通事故や高い場所からの転落だけで起こるわけではありません。特に小型犬では、抱っこから飛び降りたり、ソファから落ちたりしたことがきっかけになる場合もあります。
片方の後ろ足だけを上げている、特定の場所を触ると痛がるといった場合は、骨や関節の異常も考えられます。
全身状態の悪化や筋力低下
重い内科疾患などによって全身状態が悪化すると、足に力が入らず、立つことが難しくなる場合があります。
また、高齢犬では、筋力の低下によって立ち上がりに時間がかかったり、後ろ足の踏ん張りが弱くなったりすることもあります。
ただし、「高齢だから足腰が弱ったのだろう」と思っていたら、神経や関節の病気が隠れていたというケースもあります。急に歩けなくなった場合や、以前より明らかに症状が進んでいる場合は、年齢だけで判断しないことが大切です。
「少し様子を見てもいい?」受診を迷ったときの判断ポイント
後ろ足の動きがおかしくても、少し休むと再び歩けるようになることがあります。そのため、「歩けるようになったから、もう少し様子を見ても大丈夫かな」と迷う飼い主様もいるかもしれません。
しかし、一度歩けるようになっても、原因が解消したとは限りません。神経症状や痛みは一時的に目立たなくなることもあるため、症状を繰り返す場合や歩き方が悪化している場合は、早めに動物病院へご相談ください。
受診までの間は、無理に歩かせたり、後ろ足を強く揉んだりせず、できるだけ安静にしてください。また、安全に撮影できる場合は歩き方を動画に残しておくと、診察時の参考になります。
動物病院では何を調べる?
犬の後ろ足が動かない場合、まずは「神経に問題があるのか」「骨や関節に問題があるのか」「全身状態が影響しているのか」を確認します。
身体検査では全身の状態や痛みの有無を確認し、神経の異常が疑われる場合は、神経学的検査で足の反応や反射、麻痺の程度などを詳しく調べます。また、骨や関節の異常が疑われる場合は、関節の動きや腫れ、痛み、不安定性などを確認します。
こうした診察の結果をもとに、必要に応じて次のような画像検査を行います。
・レントゲン検査
・CT検査
・MRI検査
骨折や脱臼、関節の異常が疑われる場合には、レントゲン検査が役立ちます。当院では院内にCTを備えており、脊椎や骨の状態、神経の圧迫を詳しく調べる必要がある場合には、CT検査を検討します。
一方、脳や脊髄そのものを詳しく確認する必要がある場合は、MRI検査が必要になることもあります。その場合は、連携する検査施設をご案内しています。
MRI・CT検査でわかることについてより詳しく知りたい方はこちら
原因によって治療は大きく変わります
同じように「後ろ足が動かない」状態でも、原因や症状の重さによって治療方法は異なります。
軽度の神経症状では、安静や薬による内科治療を行い、経過を確認することがあります。一方、椎間板ヘルニアなどで脊髄が強く圧迫され、麻痺が進行している場合には、神経への圧迫を取り除くために手術を検討します。
骨や関節、靱帯の病気では、痛みを抑える治療やリハビリを行い、病気や重症度によっては手術が必要になることもあります。
また、治療後は筋力や歩行機能の回復を目指し、状態に合わせてリハビリを取り入れる場合があります。
このように、後ろ足が動かないという症状だけで治療方法を決めることはできません。原因を確認したうえで、症状の重さや進行の速さ、年齢、全身状態などを踏まえ、その子に合った治療方針を考えることが大切です。
まとめ
犬の後ろ足が動かない原因は、神経の病気や骨・関節の異常、全身状態の悪化などさまざまです。
特に、急に立てなくなった、麻痺が悪化している、排尿がうまくできないといった場合は、早めの受診が必要です。
後ろ足にいつもと違う変化が見られた場合は、無理に歩かせず、早めに動物病院へご相談ください。
当院は予約制ではありません。「急に後ろ足が動かなくなった」「受診を急ぐべきか分からない」といった場合も、診療時間内にご来院ください。
当院では2026年6月現在、全国で25名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
犬の後ろ足が動かない症状についてお困りの際は、当院へご相談ください。
■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください
埼玉県三郷市・吉川市・八潮市・越谷市で神経疾患・整形疾患の診療を受けるなら
とがさき動物病院
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監修:とがさき動物病院 院長 灰井康佑|最終更新:2026-07-24
