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犬の椎間板ヘルニア手術後の生活習慣の見直しと注意点について

2024/09/12

犬の椎間板ヘルニアは椎間板物質が脊髄を圧迫することで起こる神経の病気で、その治療の選択肢は内科療法と手術に分けられます。症状が軽い場合は、痛みや炎症を抑える薬を使って経過を観察しますが、症状のグレードが高い、あるいは内科療法がうまくいかない場合には手術が必要です。手術を受けた後もすぐに元の生活に戻れるわけではなく、回復期間中のケアや生活習慣の見直しが重要です。

今回は、犬の椎間板ヘルニア手術後の生活習慣の見直しと注意点についてご紹介します。

■目次
1.手術後の回復期間中の注意点
2.回復期間後の生活習慣の見直し
3.長期的な管理と定期検診の必要性
4.まとめ

 

手術後の回復期間中の注意点

ヘルニアの部位、手術法、脊髄の状態などによって回復過程は異なりますが、早い場合には手術翌日には歩行が可能になります。手術による体のダメージが少ない場合には早期から積極的にリハビリを開始してもらいますが、痛みが強かったり手術のストレスが大きい場合には無理な運動はせず、定期的な体位変換などを行いながら基本的にはケージの中で休んでもらい体の回復に努めます

また、術後の痛みに対しては痛み止めや炎症を抑える薬を使用して管理します。

加えて、手術の傷口が完全に塞がるまでは周囲を清潔に保ち、細菌の感染を防ぐことも大切です。傷口を保護できる洋服の着用をお勧めする場合もあります。

 

回復期間後の生活習慣の見直し

手術部位が回復した後は、適度な運動やお散歩を再開します。この際、急に元の運動量に戻すのではなく、少ない運動量から徐々に増やしていくことが理想的です。

また、食事量やカロリーを制限して体重管理を行い、肥満を防ぎます。体重が増えると関節への負担が大きくなり、様々な病気の引き金になるからです。

再発防止には、飼い主様のご協力も欠かせません。具体的に、ご家庭での積極的なリハビリの実施とともに、滑り止めマットを敷く、段差にスロープを設置するなど、首や背中、腰に負担をかけない環境を整えましょう

 

長期的な管理と定期検診の必要性

椎間板ヘルニアは、手術がうまくいったとしても再発の可能性がある病気です。そのため、運動機能がある程度回復した後も定期的に動物病院を受診し、触診や検査で状態を確認することが大切です。
特にシニア犬では、椎間板ヘルニアだけでなく慢性腎臓病や腫瘍など別の病気も併発しやすいため、定期検診がさらに重要になります。

また、再発のサインとして、痛みが出る、散歩や段差の昇り降りを嫌がる、ふらつくなどが見られた場合は、早めに獣医師に相談してください。生活習慣の見直しを含む早期の治療介入により、回復のプロセスがスムーズになる可能性があります。

 

まとめ

犬の椎間板ヘルニアの手術後、快適な生活を送るためには、術後のケアと生活習慣の改善がカギになります。これらは飼い主様のご協力なしでは行えないことですので、ご自宅での生活の注意点やケアの仕方を丁寧にご説明いたします。

なお、犬の椎間板ヘルニアは再発する可能性もありますが、当院としては再発を過度に恐れず、正しい知識を身につけたうえで、愛犬との暮らしを楽しんでほしいと考えています。愛犬と飼い主様の健康的な暮らしをサポートするような体制も整えていますので、術後のケアでお悩みの際はお気軽にご相談ください。

 

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当院では2023年9月現在、全国で17名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
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