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犬の椎間板ヘルニア手術後の食事管理と栄養サポートについて

2024/09/10

犬の椎間板ヘルニアの治療には内科療法と外科療法(手術)がありますが、手術ではその後の管理が非常に重要になります。手術後の回復には個体差があり、反応に乏しい場合にはリハビリを通じて徐々に元の健康状態を取り戻す努力を重ねていく必要があります。また、回復にはリハビリだけでなく段階に応じた食事管理や栄養面でのサポートも重要になります。
今回は、犬の椎間板ヘルニア手術後に必要な食事管理と栄養サポートについて、時系列に沿ってご紹介します。

■目次
1.手術直後の食事管理
2.回復期における栄養要求
3.体重管理の重要性
4.特別な栄養サポート
5.長期的な食事管理
6.まとめ

 

手術直後の食事管理

手術直後、犬は大きなストレスを受けています。

麻酔や手術に伴う体の負担や入院のストレスから消化機能が低下することがあります。あまり食欲が湧かないような場合には消化の良い食べやすい食事を与えるとよいでしょう。環境の変化などにより食欲が低下している場合には、香りのよいものやおいしい味のついた食事を用いて食欲を刺激することも有効です。時に嘔吐や下痢がみられる場合があるので、動物の状態をみて食事の内容や量を決定します。

術後時間が経ち、動けるようになった時には摂取カロリーのバランスを計算しながら食事を調整します。その際、通常のフードではなく療法食を用いて栄養面のサポートをすることもあります

 

回復期における栄養要求

回復期には運動量が増え、家庭でのリハビリも始まります。

椎間板ヘルニアによってうまく歩けない状態が続くと、足腰の筋肉が衰えてしまうため、失った筋肉を取り戻すためにも食事管理が重要になります。特にタンパク質は、筋肉をつくるためのアミノ酸で構成されるため積極的に摂取する必要があります。また、ビタミンやミネラルも十分に補給し、骨や関節をサポートすることも求められます。また、炭水化物や脂質はエネルギー源となりますが、過剰に摂取すると肥満の原因になるため、バランスよく配分することがポイントです。

このような栄養バランスを1つずつ管理するのは難しいため、回復期用の療法食を利用すると良いでしょう。

加えて、水分補給も大切です。犬が水をあまり飲まない場合は、容器の種類や高さを変えたり、水を飲む場所を増やしたり、フレーバーをつけたり、ウエットフードで水分を確保したりするとよいでしょう。

 

体重管理の重要性

術後は栄養面でのサポートが重要になりますが、健康な状態のときほど運動量を確保できないことが多いため、元気なときと同じような成分のフードを同じ量だけ与えていると、太ってしまう可能性があります。肥満は関節に負担をかけ、運動機能の回復を妨げるだけでなく、様々な病気の原因にもなります。

そのため、食事量を調整して肥満を予防し、適正な体重を維持することが重要です。

 

特別な栄養サポート

普段のフード以外にも、栄養面で体の機能をサポートするためのサプリメントが販売されています。

アミノ酸成分を含むサプリメントは筋肉の維持に役立ち、グルコサミンなどは関節の保護に役立ちます

痛みや炎症を和らげるためには、抗炎症作用が期待できる成分(オメガ3脂肪酸、DHA、EPAなど)を含んだ製品もうまく活用することをお勧めします。

 

長期的な食事管理

長期的な視点に立つと、術後の回復段階に応じて食事内容を見直すことが、愛犬との生活を楽しむ上で非常に大切です。しかし、筋肉のつき具合や運動機能の回復度合いは、飼い主様だけではなかなか判断できません。

そのため、術後も定期的に動物病院を受診していただき、獣医師と連携を取りながら、その時々で適正な食事を検討していきましょう

 

まとめ

犬の椎間板ヘルニア手術後は、栄養面でのサポートがポイントになります。長期的に健康を維持するためには、定期的に動物病院を受診し、獣医師と連携を強めながら、愛犬の健康状態に合わせた食事を提供することが大切です。

 

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