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犬がそわそわ・怒りっぽいのはストレス?|脳腫瘍・てんかんなど神経疾患のサインと受診の目安

2026/03/10

〈この記事の要約〉

「そわそわして落ち着かない」「急に怒りっぽい」「好きだった遊びに反応しない」――こうした行動変化はストレスだけで起こることもあります。けれど中には、脳腫瘍・脳炎・てんかん・前庭疾患など、脳や神経の異常が隠れているケースもあります。犬は不調を隠そうとすることがあるため、最初は「気分の問題」「性格の変化」に見えてしまう点にも注意が必要です。

次のような変化が急に始まった/続いている場合は、ストレスだけと決めつけず、早めに動物病院で相談しましょう。
・呼びかけへの反応が鈍い、ぼんやりする時間が増えた
・ふらつき、旋回(同じ方向にぐるぐる回る)、歩き方の違和感がある
・体の震えやけいれん、寝ている間のピクつきが目立つ
・触るのを極端に嫌がる、急に攻撃的になった/痛がる様子がある

この記事では、ストレスによる変化と誤解されやすい理由を整理しながら、見逃したくない脳・神経のサインと、受診の目安をわかりやすく解説します。

■目次
1.犬にとっての「ストレス」とは?
2.ストレスが原因と誤解されやすい行動・神経のサイン
3.ストレスと神経の不調を招きやすい生活環境
4.自宅でできる、愛犬のためのストレスケア
5.こんなときは「ストレスだけ」と決めつけず、動物病院へ相談を
6.動物病院での診察の流れ
7.まとめ

 

犬にとっての「ストレス」とは?

人が「ストレス」と聞くと、嫌なことやつらい出来事をイメージしがちですが、犬にとってのストレスはそれだけではありません。

本来できていた行動が制限されることや、落ち着いて過ごせない状態が続くことも、大きなストレスになります。たとえば、急な環境の変化や運動不足、刺激の少ない単調な生活などは、犬にとって想像以上の負担になることがあります。

 

ストレスが原因と誤解されやすい行動・神経のサイン

以下のような変化が見られる場合「ストレスが原因かな」と考えられやすい傾向があります。

〈行動の変化〉

徘徊:落ち着きなく部屋の中を歩き回る
分離不安:飼い主様と離れると不安になり、留守中に吠えたり粗相をしたりする
攻撃行動:突然怒りっぽくなったり、触られるのを嫌がったりする

〈身体・神経的なサイン〉

体の震え:特に怖いことがない状況でも、体や脚がブルブルふるえる
舐め壊し・掻き壊し:同じ場所を執拗に舐める、噛む、掻く
反応の低下:呼んでも反応が鈍く、ぼんやりする時間が増える
ふらつき・歩き方の異常:片足を引きずる、斜めに歩くなど

これらは一見すると「精神的な不安定さ」や「ストレス反応」に見えますが、実際には脳腫瘍や脳炎、てんかん、前庭疾患、認知機能不全症候群など、脳や神経の病気が隠れていることもあります。見過ごさず、早めに評価することが大切です。

脳腫瘍についてより詳しく知りたい方はこちら
脳炎についてより詳しく知りたい方はこちら
てんかんについてより詳しく知りたい方はこちら
前庭疾患についてより詳しく知りたい方はこちら

 

ストレスと神経の不調を招きやすい生活環境

どんな動物でも多少のストレスを抱えて生きていますが、あまりに大きいと健康に支障をきたしてしまいます。
たとえば、次のような環境や出来事は、犬の心や神経に影響を与えやすいとされています。

〈環境の変化〉

・引っ越しや模様替えで、いつもの落ち着ける場所がなくなった
・家族構成の変化(赤ちゃんや他のペットを迎えた、家族が減った)

〈音や刺激によるストレス〉

・家の近くで工事が始まった、大きな車の音が増えた
・家電やテレビの音が大きく、長時間鳴っている

〈心身の刺激不足〉

・散歩が短い、日によって時間がバラバラ
・一日中家の中で過ごし、遊ぶ機会が少ない

〈飼い主様との関わり方〉

・「ダメ!」ばかりで、なぜ叱られているのか理解できていない
・スキンシップが急に減った/逆に構われすぎて落ち着けない

これらはストレスの原因になるだけでなく、すでに脳や神経に不調を抱えている犬にとっては、症状を目立たせる引き金になることもあります。

 

自宅でできる、愛犬のためのストレスケア

ストレスを完全になくすことはできませんが、安心できる生活を整えることはできます。
以下のような工夫を、ぜひ日常の中に取り入れてみてください。

1. 決まった生活リズムを保つ
毎日同じ時間にごはん・お散歩・お昼寝ができるように心がけましょう。「次はこうなる」と予想できる日常は、犬にとって大きな安心材料になります。

2. 静かで安心できる“自分の居場所”をつくる
クレートやベッドなど、落ち着けるスペースを家の中に確保してあげましょう。特に来客時や大きな音がする場面では、そっとそこに逃げ込める環境が理想です。

3. 毎日の散歩に“変化”と“自由”を
ただ歩くだけでなく、においを嗅いだり、立ち止まったりできる余裕を与えましょう。五感を刺激することが、脳や神経の活性化にもつながります。

4. 一緒に遊ぶ時間を大切に
おもちゃで遊ぶ、声をかける、軽く触れ合うなど、心が通う時間を毎日少しでも持ちましょう。特別なことはしなくても「楽しい」「安心できる」と感じられる時間がストレス緩和に役立ちます。

5. 「叱る」より「ほめる」関わりを
しつけで大切なのは「してほしい行動を伝える」ことです。うまくできたときにたっぷりほめてあげると、愛犬の自信と安心感が育ちます。

 

こんなときは「ストレスだけ」と決めつけず、動物病院へ相談を

次のような場合は、ストレスだけで片づけず、早めにご相談ください。

・行動の変化(そわそわ・怒りっぽさ・ぼんやりなど)が【数日~数週間】続いている
・今までできていたこと(階段の昇り降り、留守番など)が急にできなくなった
・呼びかけに反応しない、ぼーっとしている時間が増えた
・寝ている間にも異変(けいれん、体のひきつり など)がある
・歩き方に違和感がある(ふらつく、片足を引きずる など)
・食欲が落ちてきた、元気がない、体重が減ってきた

 

動物病院での診察の流れ

脳や神経の異常が疑われた場合、以下のような検査を実施して、総合的に判断します。

・問診と視診・触診
まずは飼い主様から詳しくお話を伺い、愛犬の状態を実際に観察・触診します。
「いつから」「どんな場面で」「どのような変化があったか」など、日常の様子がとても参考になります。

・神経学的検査
体のバランスや反射、感覚の異常がないかを確認します。歩き方や姿勢、足の動かし方などから、どこに異常がありそうかを見極めていきます。
神経学的検査の流れについてより詳しく知りたい方はこちら

・血液検査
全身状態のチェックや、ホルモンバランス、内臓疾患の有無を確認します。症状の背景に代謝異常や感染症などが隠れていないかも重要なポイントです。

・画像検査(レントゲン・超音波・CT・MRIなど)
必要に応じて、さらに詳しい検査を行います。特に脳や脊髄の異常が疑われる場合には、MRIやCT検査が効果的です。
MRI・CT検査でわかることについてより詳しく知りたい方はこちら

検査結果をもとに、神経の炎症を抑える薬(抗てんかん薬やステロイド、ビタミンB群など)を使った内科的治療や、不安や興奮をやわらげるお薬・サプリメントの提案を行うこともあります。また、生活環境の調整や、腫瘍がある場合には外科的な対応、リハビリテーションなどを含めた治療方針をご提案します。

いずれも「できるだけ体に負担をかけない方法」から始め、飼い主様と相談しながら、一緒に進めていくことを大切にしています。

 

まとめ

「落ち着きがない」「元気がない」「怒りっぽい」こうした行動の変化は、ストレスだけでなく、脳や神経の異常が関係していることもあります。

犬は不調を言葉で伝えられない分、行動の変化が大切なサインになります。「いつもと違う」と感じたら、その直感を大切にしてください。

とがさき動物病院では、行動の変化やストレスケアのご相談から、脳・神経疾患の診察まで幅広く対応しています。早めの気づきが、治療の選択肢を広げ、愛犬の負担を軽くすることにつながります。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

当院では2023年9月現在、全国で17名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
犬の行動変化について気になることがあれば、当院へご相談ください。

■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください

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監修:とがさき動物病院 院長 灰井康佑|最終更新:2026-03-10

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