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【獣医師監修】犬のふらつきと椎間板ヘルニアの関係性|放置すると危険な理由と対処法

2025/01/09

愛犬がふらふらと歩いたり、うまく立ち上がれなかったりすると、「どこか具合が悪いのかな…」「このまま立てなくなったらどうしよう…」と心配になりますよね。この「ふらつき」はさまざまな病気の兆候であり、中でもよく見られるのが椎間板ヘルニアです。放置すると悪化する恐れがあるため、早期発見が重要です。
今回は犬のふらつきと椎間板ヘルニアの関係性に注目し、ご家庭でのチェックポイントや原因となる病気の基礎知識について、獣医師が解説します。

■目次
1.愛犬のふらつきが気になったら要チェック! 異変を見分けるポイント
2.ふらつきの原因として考えられる「椎間板ヘルニア」について
3.ヘルニア以外にも要注意! ふらつきの主な原因
4.早期発見が大切! 動物病院への相談のタイミング
5.自宅でできるケアと予防方法
6.まとめ

 

愛犬のふらつきが気になったら要チェック! 異変を見分けるポイント

愛犬のふらつきに早く気付くには、普段の様子をよく観察しておくことが大切です。健康な犬は一定のリズムで歩き、体が左右に大きく揺れることはありません。ただし、年齢や犬種によって多少の差は生じます。
例えば、高齢犬では筋肉が衰えて全体的な動きが緩やかになる、小型犬では素早く足を動かす、といった特徴がみられます。一方で、病気によるふらつきは以下のような異変が現れるケースがあります。

病気が疑われるふらつきの特徴

後ろ足のふらつき:前足は正常に動いているのに、後ろ足だけが不安定になる
歩行時のふらつき:まっすぐ歩けない、びっこを引く、段差につまずく
立ち上がり時のふらつき:力が入らず、立ち上がれない、腰が抜けるように座り込む

 

ふらつきの原因として考えられる「椎間板ヘルニア」について

ふらつきがみられるとき、その原因として考えられる病気の1つが椎間板ヘルニアです。この病気は、椎間板という背骨と背骨の間にあるクッションのような構造が変化し、脊髄という太い神経の束を圧迫することで起きる神経の病気です。

特にミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬種では、遺伝的に発症しやすいことが知られています。神経が圧迫されると、ふらつきのほかにも、背中や首の痛みなどが現れ、進行すると足が麻痺して立てなくなってしまいます。
犬の椎間板ヘルニアについてはこちらで詳しく解説しています

 

ヘルニア以外にも要注意! ふらつきの主な原因

椎間板ヘルニア以外にも、以下のような原因でふらつきが起こることがあります。

内耳炎
外耳炎や中耳炎が重症化すると、炎症が内耳にまで及ぶことがあります。内耳はバランス感覚をコントロールしているので、内耳炎になるとまっすぐ立てなくなり、ふらつきが見られることがあります。

脳の病気
脳腫瘍や脳炎、脳梗塞などは、神経系に影響を与え、ふらつきやその他の神経症状を引き起こす場合があります。
脳腫瘍についてはこちらから
脳炎についてはこちらから
脳梗塞についてはこちらから

整形外科的な病気
変形性関節症や免疫介在性関節炎、膝蓋骨脱臼などの関節の病気、あるいは骨折や骨肉腫などの骨の病気が起こると、うまく体重がかけられずにふらつくことがあります。
膝蓋骨脱臼についてはこちらから

加齢による筋肉の衰え
年をとると足腰の筋肉が衰え、素早い動きができず、ふとしたことでふらついたり転んだりすることがあります。

 

早期発見が大切! 動物病院への相談のタイミング

ふらつきは身体の異常を知らせるサインです。特に次のような症状がみられたら、早めの受診をお勧めします。

突然ふらつくようになった
背中や首に触られるのを嫌がる
力が抜けたように立てなくなる
普段より元気や食欲がない

 

自宅でできるケアと予防方法

椎間板ヘルニアの予防には、背中の関節になるべく負担をかけないようにすることが重要です。ご家庭では具体的に、以下のようなケアを検討するとよいでしょう。

激しい運動を避ける
・ソファやベッドへのジャンプを防ぐためにスロープを設置する
・滑りやすい床にはマットやラグなどを敷く
適切な量・カロリーで、十分な栄養素が含まれるフードを選ぶ
・モエギイガイやオメガ3脂肪酸など、関節の健康維持をサポートする成分を含んだサプリメントを利用する

 

まとめ

犬は言葉で異常を訴えることができません。そのため、飼い主様が日常の様子を観察し、異変に気付いたら早めに動物病院で診察を受けることが大切です。早期に治療を始められれば愛犬に対する負担を軽くすることができるので、不安に感じていることがあればお気軽に当院までご相談ください。

 

当院では2023年9月現在、全国で17名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
椎間板ヘルニアのことでお困りの際は、当院へご相談ください。

■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください

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