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その姿勢、異常のサインかも? 犬の体の歪みと神経トラブルの関係

2026/01/21

〈この記事の要約〉

姿勢のわずかな“歪み”は、神経の不調を早期に示す大切なサインである可能性があります。日々の生活の中で、立ち方・座り方・歩き方を同じ条件で観察し、短い動画として残しておくと、時間差での比較がしやすくなります。とくに「起床直後」「散歩の前後」「食後」など、状態が変化しやすいタイミングを意識していただくと、異常の手がかりが見つかりやすくなります。

家庭でのチェック(観察と記録)
・観察頻度:月1の定期動画+「異変を感じた時」はその場で撮影
・立ち方:四肢が均等に荷重できているか/頭や体の傾きはないか
・座り方:左右対称か/片足を崩していないか/座位からスムーズに立てるか
・歩き方:直線でまっすぐ歩けるか/旋回癖や一方向へのカーブはないか/つまずきや足の引っかかりはないか
・記録方法:日時・状況(起床直後、散歩後など)をメモし、同条件で比較できる動画を保存
・受診判断:いつから・頻度・持続時間を整理し、異常が持続/悪化・嘔吐やけいれんを伴う場合は速やかに受診

サイン・疑われる疾患・受診の目安

姿勢のサイン 主な原因 受診の目安
背中が丸い(猫背) 椎間板ヘルニア、疼痛、脊髄疾患 早めに相談
首が傾く(斜頸) 前庭疾患(中耳/内耳炎、特発性)、脳炎 当日受診
体が一方向に傾く/“くの字”に曲がる 脳梗塞・脳腫瘍・脳炎、脊髄病変 当日受診
座位が非対称(片足を崩す等) 神経筋疾患、局所疼痛 早めに相談
姿勢+ふらつき/嘔吐/けいれんを伴う 急性神経疾患全般(脳・脊髄・前庭系) 至急受診

この記事ではご家庭で気づける姿勢の変化と、その背景にある病気、診断や治療の流れについて紹介します。

■目次
1.姿勢の“歪み”とは?|どんな様子が異常?
2.姿勢の歪みから疑われる神経系の病気とは?
3.姿勢の歪みだけじゃない|併発しやすい他の症状
4.神経疾患を早期に見抜くために|家庭でのチェックポイント
5.神経の検査・診断とは?
6.治療方法
7.まとめ

 

姿勢の“歪み”とは?|どんな様子が異常?

健康な犬は、立っているときに背中から頭までが地面に対してほぼ水平に保たれています。しかし、神経や筋肉、骨の異常によって次のような姿勢の変化がみられることがあります。

背中が丸くなっている(猫背のような姿勢)
首を傾けたまま歩く(斜頸)
体が常に一方向に傾いている
お座りしたときに左右の足が非対称になっている
歩くときに体が“くの字”に曲がる、または一方向へカーブする

このような姿勢の歪みがあると、「筋肉や関節の問題かな」と考える飼い主様が多いかもしれませんが、実際には脳や脊髄、末梢神経などの異常が関係していることもあります。

姿勢の歪みから疑われる神経系の病気とは?

姿勢の歪みがみられた場合、以下のような神経系の病気が疑われます。

・脳神経の異常:脳炎、脳梗塞、脳腫瘍など
・前庭疾患:中耳・内耳炎、特発性前提疾患など
・頸椎・腰椎の疾患:椎間板ヘルニア、環軸椎不安定症など
・神経筋疾患(筋肉に力が入らず体が支えられない状態):重症筋無力症など

脳炎についてより詳しく知りたい方はこちら
脳梗塞についてより詳しく知りたい方はこちら
脳腫瘍についてより詳しく知りたい方はこちら
前庭疾患についてより詳しく知りたい方はこちら
椎間板ヘルニアについてより詳しく知りたい方はこちら
環軸椎不安定症についてより詳しく知りたい方はこちら

 

姿勢の歪みだけじゃない|併発しやすい他の症状

神経疾患では、姿勢の歪み以外にも次のような症状が併発することがあります。

ふらつく
転びやすい
同じ方向を向いたまま回り続ける
片足を引きずる、または立てない
足が引っかかる、またはつまずく
食欲の低下
嘔吐
震えやけいれん

これらの症状の有無は、診断するうえでとても重要になります。
受診の際には、症状がいつから・どのくらいの頻度で・どの程度続くかを伝えましょう。スマートフォンなどで動画を撮影しておくと、より詳細な評価が可能になります。

 

神経疾患を早期に見抜くために|家庭でのチェックポイント

神経疾患は進行性のものもあり、早期発見・早期治療が何よりも重要です。ご家庭では次のようなポイントを意識して、愛犬の様子を観察してみましょう。

・立ち方のチェック:四肢がしっかり地面についているか、体や首が片側に傾いていないか
・座り方のチェック:片足を崩したように座っていないか、座った姿勢からスムーズに立ち上がれるか
・歩き方のチェック:左右に体が傾いていないか、転倒やつまずき、足の引きずりがないか

月に1回程度、動画を撮っておくと、過去と比較して変化を見つけやすくなります。

 

神経の検査・診断とは?

姿勢の歪みがみられた場合、動物病院ではさまざまな病気の可能性を考え、検査を進めていきます。

・神経学的検査
獣医神経病学会が発表している検査表に基づき、意識の状態や歩様、姿勢反応、脊髄反射などをチェックします。これにより、神経のどの部位に異常があるかを推定します。

神経学的検査でわかることについてより詳しく知りたい方はこちら

・レントゲン検査
骨や関節の異常を確認します。神経や脊髄自体の異常は映りにくいため、他の検査と組み合わせて行います。

・血液検査
炎症や感染、免疫異常の有無を確認します。

・MRI・CT検査
病変の構造や場所をレントゲンよりも詳細に把握できます。

当院ではCT検査を院内で実施可能で、必要に応じてMRI検査については提携センターをご紹介する体制を整えています。これにより、より正確で迅速な診断と治療方針の決定が可能です。

MRI・CT検査でわかることについてより詳しく知りたい方はこちら

 

治療方法

原因となる病気によって治療方法は異なります。診断結果をもとに、以下のような方法を組み合わせて行います。

・内科治療
免疫抑制剤ステロイドを用いて炎症や免疫の異常を抑えます。脳炎、軽度の椎間板ヘルニア、重症筋無力症などに適応されます。

・外科治療
椎間板ヘルニアや脳腫瘍、環軸椎不安定症など、物理的に神経が圧迫されている場合に手術を行います

・リハビリテーション・生活環境の整備
治療後の回復や再発予防には、適度なリハビリと環境づくりも欠かせません。滑りにくい床材の使用段差の回避など、日常生活の工夫が大切です。

 

まとめ

愛犬の姿勢に異変が見られたら、それは単なる癖ではなく神経疾患のサインかもしれません。早めの診察によって原因を特定し、適切な治療を行うことで回復の可能性が高まります。

日頃から「立ち方・座り方・歩き方」を観察することが、病気の早期発見につながります。少しでも気になる様子があれば、お気軽に当院へご相談ください。

当院では2023年9月現在、全国で17名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
姿勢のゆがみについてお困りの際は、当院へご相談ください。

■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください

埼玉県三郷市・吉川市・八潮市・越谷市で神経疾患・整形疾患の診療を受けるなら
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監修:とがさき動物病院 院長 灰井康佑|最終更新:2026-01-21

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