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犬がふらつくのは気圧のせい? 自律神経や脳の関係とは

2026/01/21

〈この記事の要約〉

季節の変わり目や台風接近時など、気圧が不安定な時期に「ふらつきや食欲低下、呼吸の乱れが目立つ気がする」と感じる飼い主様は少なくありません。
実際、日々の診療のなかでも、気圧の変化と神経症状・循環器症状との関連を疑う場面は多くあります。

一方で、獣医療分野では「気圧と特定の疾患との関連」が科学的に明確に立証されているデータは、現時点ではほとんどありません。
そのため、本記事では「気圧が犬の体調に影響している可能性がある」という臨床現場での印象を踏まえつつも、あくまで一つの見方としてご紹介します。

持病(てんかん・前庭疾患・心疾患 など)のある子では、気圧の変化をきっかけに症状が悪化したように見えるケースもあります。天候と症状を動画やメモで記録し、室温・湿度を一定に保ち、無理な運動を避けることが大切です。冬の冷えでは関節のこわばりにも注意し、異常があれば早めに受診しましょう。

症状が出たときの初期対応
・安静にさせ、段差や滑る床を避けます。
・呼吸・舌色(青くないか)を確認します。
・水分は少量ずつ。嘔吐が続くなら受診します。
・発作は時間を計測し、5分超や反復は至急受診です。
・発生日時・天候・様子をメモし、可能なら動画を撮ります。

持病別のポイント

持病 起こりやすいこと 家での備え
てんかん 発作が増える 服薬徹底・発作時間計測
前庭疾患 めまい・斜頸 静かな暗所・滑り止め
心疾患 呼吸が荒い・失神 休息・室温湿度を一定
椎間板ヘルニア 痛み・歩様不安定 ジャンプ禁止・補助

この記事では、気圧と犬の体調との関係、気をつけたい神経症状のサイン、そして家庭でできる生活管理のポイントについて詳しくご紹介します。

■目次
1.気圧と犬の体調の関係|なぜ気圧が影響するの?
2.犬にみられる神経症状のサイン
3.季節・気候と症状の関係性|特に秋・春に増える理由
4.気圧によって悪化しやすい持病とその影響
5.気圧に敏感な子のための生活管理アドバイス
6.動物病院で行う検査と治療
7.まとめ

 

気圧と犬の体調の関係|なぜ気圧が影響するの?

気圧が変化すると、体の中でも最も敏感に反応するのが内耳です。内耳には気圧を感知してバランスを取る働きがあり、気圧の変化が続くと自律神経(交感神経と副交感神経)の働きが乱れ、体調不良を引き起こすことがあります。

人間ではこのような状態を「気象病」「天気痛」と呼び、頭痛やめまいなどの症状で知られています。犬でも同様に、気圧の変動によって体のバランスを保つ神経が刺激され、様々な変化が見られることがあります。

 

犬にみられる神経症状のサイン

気圧の変化によって次のような症状がみられることがあります。

ふらつき・めまい
呼吸の乱れ
散歩を嫌がる
手足の震え
食欲の低下

また、持病がある場合はより深刻な症状が現れることもあります。

・チアノーゼ
・てんかん発作
・立ち上がれない
・意識がはっきりしない

これらの症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

季節・気候と症状の関係性|特に秋・春に増える理由

気圧は毎日変化していますが、特に症状が出やすいのは以下のような季節や気象条件です

秋や春など、寒暖差が大きい季節
台風や低気圧が近づいているとき
梅雨など湿度が高く、気圧の変化が激しい時期

また、冬場は気圧よりも冷えによる関節痛や筋肉のこわばりが原因で歩き方が不安定になることもあります。
ふらつきの原因が「神経の問題」なのか「関節など運動器の問題」なのかは、見た目だけでは判断が難しいため、気になる症状があれば早めに動物病院へご相談ください。

 

気圧によって悪化しやすい持病とその影響

気圧の変化は、以下のような病気に影響を与えることがあります。

・てんかん:脳の電気的な興奮が起こりやすくなり、発作が増えることがあります。
・前庭疾患:内耳の平衡感覚が乱れ、めまいやふらつきが悪化します。
・脳炎・脳腫瘍:脳の血流や圧の変化で神経症状が強く出ることがあります。
・高血圧・心疾患:血圧や心拍数が変動し、呼吸の乱れや失神を起こすことがあります。
・椎間板ヘルニア:気圧や湿度の変化で痛みや麻痺の症状が強まることがあります。

てんかんについてより詳しく知りたい方はこちら
前庭疾患についてより詳しく知りたい方はこちら
脳炎についてより詳しく知りたい方はこちら
脳腫瘍についてより詳しく知りたい方はこちら
椎間板ヘルニアについてより詳しく知りたい方はこちら

 

気圧に敏感な子のための生活管理アドバイス

気圧の変化を完全に避けることはできませんが、環境を整えることで症状を軽減することは可能です。
ご家庭では次のようなことを意識してみましょう。

・室内の温度と湿度を一定に保ち、急激な変化を避ける
・低気圧の日は無理な運動や長時間の外出を控える
・落ち着ける静かなスペースを用意する
・気象アプリなどで気圧の変化を事前にチェックする
・栄養バランスの取れた食事やサプリメントで体調をサポートする

また、持病のある犬は定期的な健康チェックを受け、薬の効果や体調の変化を確認しておくことも重要です。

 

動物病院で行う検査と治療

ふらつきなどの神経症状がみられる場合には、さまざまな病気の可能性を疑って検査を進めていきます。

具体的には、神経学的検査、レントゲン検査などのほか、より詳細な情報を得るために血液検査、CT・MRI検査などを追加することもあります。

MRI・CT検査でわかることについてより詳しく知りたい方はこちら

治療は原因によって異なりますが、免疫抑制剤・抗てんかん薬・利尿薬などによる内科治療のほか、重度の椎間板ヘルニアなどでは外科手術を行うこともあります。

 

まとめ

気圧の変化による体調不良は、人間だけでなく犬にも起こりうるものです。特に神経疾患や心臓病などの持病がある場合は、症状が悪化するリスクが高まります。
「いつものこと」と思って様子を見るのではなく、早めの受診と日々の観察を心がけてください。気になる様子があれば、症状の出た日時や頻度を記録し、できれば動画を撮影して獣医師に見せると診断の助けになります。
愛犬のちょっとした変化を見逃さず、日々の生活管理と早期の受診で、快適な生活をサポートしてあげましょう。

当院では2023年9月現在、全国で17名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
気圧と犬の体調との関係についてお困りの際は、当院へご相談ください。

■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください

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監修:とがさき動物病院 院長 灰井康佑|最終更新:2026-01-21

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