犬と猫の水頭症について
2023/05/09
水頭症は脳の病気であり、犬と猫の日常生活に支障をきたす重大な疾患です。
生命活動に重要な役割を果たしている脳の疾患であるため、十分な理解が必要です。
今回は、犬と猫の水頭症について説明します。
症状
水頭症は、脳脊髄液とよばれる脳と脊髄を循環している液体が何らかの理由により貯留し、脳を圧迫して行動異常、意識障害や発作などの神経症状を起こす病気です。
脳は生命維持や活動に重要な役割があり、これらに障害をきたすことで様々な症状を呈します。具体的な症状には以下のようなものがあります。
・しつけが困難である
・怒りっぽい
・動きが鈍く元気がない
・異常行動やせん妄(軽い意識障害)
・視覚、感覚障害
・てんかん発作
水頭症は大きく先天性と後天性に分類できますが、先天性水頭症は脳の形態異常に原因すると言われています。以下が先天性水頭症の好発犬種として報告されています。
・チワワ
・ヨークシャー・テリア
・ポメラニアン
・トイ・プードル
・パグ
・ペキニーズ
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
また、犬だけでなく猫での発生報告もわずかにあります。
水頭症の症状は脳の機能障害によるものであるため、日常生活に支障がでる傾向があります。
本疾患を疑う症状がみられたら、速やかに動物病院への受診をおすすめします。
診断方法
先天性水頭症は、特徴的な症状と脳室拡大を確認し診断します。
具体的には、ドーム状頭蓋、泉門開存、外腹側斜視や先述した臨床症状から水頭症を疑い、超音波検査にて脳室の拡大を確認します。MRI検査を行うこともあります。
愛犬愛猫に水頭症を疑う症状があれば、まずは、当院へご相談ください。
治療方法
治療には脳脊髄液の貯留を防ぐ薬剤による内科治療と、貯留した脳脊髄液をバイパスする外科治療があります。
一般的に薬剤による内科治療は、症状が軽度の場合や何らかの理由により手術が困難な場合などに適応されます。
内科治療に反応しない場合や臨床症状が重度の場合には外科治療が適応になります。
ご家族のわんちゃん・ねこちゃんにとって最適な治療はなにか、動物の状態と飼い主さまの家庭に合った治療法を選択することが重要です。
水頭症の治療法について疑問点や不安などがありましたら、お気軽に当院へお問い合わせください。
飼い主さまが気をつけるべき点
しつけを覚えられない、できていたことができなくなる、怒りっぽい、ぼんやりしていて大人しいなど、ご家庭でしかわからない症状があります。小さな症状でも診断の助けになる場合がありますので、診察の際にはご家庭での気になる様子をお聞かせください。
新しくお家にお迎えした子犬や子猫にこのような症状がある場合は、動物病院への受診をおすすめします。
当院は内科治療、外科治療の選択肢がありますが、動物の状態や飼い主様の意向に合った治療を行うことが大切だと考えています。
全ての飼い主さまが愛犬愛猫と安心した日々を過ごせるよう、患者さまに合った治療方針を提示できるように努めます。
どんな些細な内容でも、愛犬愛猫について心配事がありましたら、お気軽にご相談ください。
当院では2022年11月現在、全国で14名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
水頭症について気になることがあれば、当院へご相談ください。
■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください
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