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犬と猫のてんかんについて

2023/05/10

愛犬愛猫に、突発的に起こる異常行動や全身が突っ張りガクガク痙攣する症状がみられたら、てんかん発作の疑いがあります。

今回は、犬と猫の飼い主さまにとって心配な病気のひとつである、てんかんについて説明します。

症状

てんかん発作は、大脳皮質で異常な電気刺激が発生することで現れます

一般的なてんかん発作は、強直性けいれん全身が突っ張る)から間代性けいれん(全身がガクガクする)へと移行し、数秒から数分で終息します。

このような発作の後はぐったりしたり徘徊や落ち着かないような様子がしばらくあり、その後徐々に普段通りに戻ります。

また、けいれんを起こさないてんかん発作もあります。突発的な異常行動を起こすのみで、発作と疑うのが難しいケースも多くあります。

このような症状を口頭で説明することは困難な場合もあるため、動物病院を受診する際には発作の動画を提示することをおすすめします。発作中の動画撮影は難しいと思いますが、発作の様子を確認することが診断の大きな助けになります。動画は、身体の一部分ではなく全身と顔(表情)が確認できるように撮影できると最適です。

診断方法

一般的に、てんかん発作の診断は他のてんかん発作を起こす疾患を除外することで行います。

具体的には、血液検査やX線検査、超音波検査、MRI検査、脳脊髄液検査、脳波検査などを実施します。

この中でも、MRI検査、脳脊髄液検査、脳波検査は特殊な設備が必要なため、画像診断施設や大学病院などで行われます。

治療方法

てんかん発作の治療は、基本的に薬剤による内科治療が主流です

使用される薬剤は様々あり、1剤で効果がない場合は血中濃度を確認しながら用量を増やしたり、2剤、3剤を併用することもあります。

難治性のてんかん発作で、3剤以上併用しても症状がコントロールできない場合には外科手術が検討されるケースもあります

予防法や飼い主が気をつけるべき点

てんかん発作の症状は、気付きにくい軽微なものから、誰が見ても発作とわかる明確な大発作までさまざまです。

大発作の前兆でもある軽微な症状に気づくことができれば、早期の治療介入が可能になります。

「いつもと様子が少し違うかも?」と感じたら、これから起こる発作の可能性を考えましょう。

また、一般的にてんかん発作は、数秒から数分で終息します。

愛犬愛猫に大きな発作が起こっても、落ち着いて治まるのを待ちましょう。

また、てんかんの発作が起こったら、以下の点に注意しましょう。

 

・発作の経過時間の確認を行う

・強い刺激を与えない(大きな物音を立てる、急に電気をつけるなど)

・口周りを触らない

 

発作が起こっている最中に刺激を与えてしまうと、発作が長引く可能性があります。そのため、発作が起こっても落ち着いて発作が起こった状況や時間を記録しておくようにしましょう。

また、口周りを触ると噛まれてしまう可能性があるため注意しましょう。

5~10分以上経っても発作が治まらない場合(発作重責)や、はじめの発作が治まりきる前に次の発作が連続して起こる場合(発作群発)は、緊急性があるため速やかに動物病院を受診しましょう

まとめ

一般的なてんかん発作は、全身が硬直して突っ張る強直性けいれんから全身がガクガクする間代性けいれん発作へと移行し、通常数秒から数分で終息します。また、診断が難しいけいれんを起こさないてんかん発作もあります。

診断は、他のてんかん発作を起こす疾患を除外することで行います。

治療は内服薬による内科的治療が主流であり、使用する薬剤は多く存在し、使用法も多くのパターンがあります。

てんかんは発作をうまくコントロールすることでストレスの少ない生活を送ることのできる病気です。

てんかん発作について、疑問や気になることがありましたら、お気軽に当院へご相談ください。


当院では2022年11月現在、全国で14名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。

てんかんについて気になることがあれば、当院へご相談ください。

 

■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください

 

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