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犬と猫の腸閉塞について│放置すると命の危険も…

2023/07/21

腸閉塞は腸管内の異物、腸壁の肥厚や狭窄、腸管外からの圧迫によって起こります。完全閉塞あるいは不完全閉塞があり、そのどちらも腸管内の内容物がなんらかの原因で通過できなくなっている(通過障害を起こしている)状態を指します
ここでは、犬や猫の腸閉塞について解説します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や飼い主が気を付けるべき点
6.まとめ

■原因

腸閉塞の原因は、誤飲した異物、腫瘍やポリープ、腸捻転、腸重積などです。異物は、犬ではおもちゃや靴下、桃、プラムの種、とうもろこしの芯などが多く、猫ではひも状の異物が多いです。
また、臍ヘルニアや鼠径ヘルニアで腸が脱出し、通過障害を起こしている場合も機械的閉塞に含まれます。

■症状

通過障害の程度により症状は異なりますが、頻回の嘔吐は腸閉塞の犬や猫でよくみられる症状です。
また、嘔吐に加え、腹痛、食欲不振、腹部膨満(腹部がふくれる)、下痢、便秘などの症状もみられる場合があります

腸管内が完全に塞がっている、閉塞により腸の血管の血液循環が阻害されている、腸に穴が開くなど重症例では、腸の壊死や腹膜炎、敗血症ショックが生じ、命に関わる危険もあるため注意が必要です。

■診断方法

一般的には、X線検査や超音波検査で、異物や腫瘍などが腸管内にないかどうかを確認していきます。
超音波検査は、X線に写らない異物や腫瘍の確認だけでなく、腸の構造や動きを把握するためにも有効です。

上記の検査でも判断できないような腸閉塞に関しては、X線造影検査や内視鏡検査、CT検査を行うこともあります。
また、血液検査で炎症や敗血症、電解質異常などがないか確認することも重要です。

■治療方法

腸閉塞では、原因を取り除き、閉塞を解除してあげることが根本的な治療となります。異物や腫瘍・ポリープが疑われる場合には、内視鏡や開腹手術によりそれらを取り除きます。

腸捻転、腸重積、腸ヘルニアの場合には、開腹手術により腸を元の状態に戻し、閉塞を解除してあげることが必要です。
もし、閉塞によって腸に血行障害が起こり、腸が壊死している場合には、壊死している部分を切り取り、腸の端々を吻合する手術を行います。

■予防や飼い主が気をつけるべき点

身の回りに誤食するようなものを置かない環境づくりが大切です。特に、犬では飲みこめるサイズのおもちゃ、靴下、桃やプラムの種、とうもろこしの芯など、猫では紐やひも状のおもちゃが危険です。散歩中の誤食にもお気を付けください。

また、定期的に健康診断を受け、腫瘍を早期に発見し治療を行うことで、腸閉塞のリスクを減らすことも大切です。

■まとめ

腸閉塞は、放置すると腸の壊死や穿孔(穴が開くこと)を引き起こし、命の危険があるため、早期の治療が必要です。
上記のような腸閉塞の症状がみられたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

当院では2022年11月現在、全国で14名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。
腸閉塞について気になることがあれば、当院へご相談ください。

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