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犬と猫の副腎腫瘍について│状態を慎重に見極めて治療を行うことが重要

2023/06/22

愛犬愛猫に水を飲む量が増えた、尿量が増えた、お腹が大きい、息づかいが荒い、元気がないなどの症状はありませんか?これらの症状がみられたら副腎腫瘍の疑いがあります。

また、これらの症状が出なかったとしても、副腎腫瘍を発症している可能性があるため、愛犬愛猫にこれらの症状がない方にも今回の記事を読んでいただき、疾患についての理解を深めていただきたいと思います。

今回は、犬と猫の副腎腫瘍について説明します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や飼い主が気を付けるべき点
6.まとめ

原因

副腎は腎臓の内側にある左右一対の臓器であり、小さいながらも生きていくために必須な様々な生理機能を持っています。外側を「皮質」、内側を「髄質」と呼び、皮質からはコルチゾール、アルドステロンや性ホルモンが、髄質からはカテコラミンが分泌されています。

 

皮質はさらに球状帯、束状帯、網状帯という3層に分けられ、球状帯からはアルドステロン、束状帯からはコルチゾール、網状帯からは性ホルモンが分泌されます。

 

コルチゾール…糖質コルチコイド

アルドステロン…鉱質コルチコイド

性ホルモン…アンドロゲンやエストロゲン、プロゲステロンなど

カテコラミン…アドレナリンやノルアドレナリン

 

副腎腫瘍には、腫瘍化した部位の機能が亢進する機能性腫瘍と亢進しない非機能性腫瘍があり、機能性腫瘍にはコルチゾール産生腫瘍(コルチゾール過剰)、原発性アルドステロン症(アルドステロン過剰)、性ホルモン産生腫瘍(性ホルモン過剰)、褐色細胞腫(カテコラミン過剰)があります。

 

副腎皮質腫瘍…球状帯機能亢進=アルドステロン過剰→原発性アルドステロン症

       束状帯機能亢進=コルチゾール過剰→クッシング症候群

       網状帯機能亢進=性ホルモン過剰

副腎髄質腫瘍…カテコラミン過剰→褐色細胞腫

 

症状

非機能性腫瘍は多くが無症状です

機能性副腎腫瘍はどの部位の機能が亢進(体の機能が必要以上に活発になった状態)しているかによって多彩な症状が現れます。

 

・束状帯の機能が亢進しコルチゾールが過剰に分泌される場合、多飲多尿、多食、腹部膨満、脱毛、筋委縮、虚弱、パンティング、皮膚の色素沈着などの症状が現れます。これらはクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)と呼ばれ、犬で最も一般的な内分泌疾患と言われています

 

・球状帯の機能が亢進しアルドステロンが過剰に分泌される場合、電解質異常による高血圧や中枢神経症状が現れることがあります。

 

・網状帯の機能が亢進し性ホルモンが過剰に分泌される場合、糖尿病の素因になったりインスリン抵抗性が現れたりすることがあると言われています。

 

・髄質の機能が亢進しカテコラミンが過剰に分泌される場合、現れる症状は非特異的で多彩であり、まったく症状がない場合もあります。症状の例として、虚脱、食欲不振、嘔吐、パンティング、呼吸困難、多飲多尿などがあります。

 

診断方法

臨床症状や画像検査、血液検査の結果をもとに診断します。

画像検査ははじめに超音波検査を行い、腫瘍の広がりをより詳細に確認する必要があれば全身麻酔をかけてCTを実施することもあります。

 

治療方法

機能性副腎腫瘍であり、転移が認められない場合は外科的副腎摘出が根治のための第一選択です。副腎腫瘍の良性・悪性を術前に把握することは困難であり、確定は摘出後の病理検査に委ねられます。なんらかの理由で手術が実施できない場合は内科治療でコントロールを目指すこともあります。

 

予防法や飼い主が気を付けるべき点

副腎腫瘍は腫瘍からホルモンが産生分泌される場合であれば、特徴的な症状が現れます。

副腎腫瘍は皮質から発生する副腎腺腫、副腎腺癌と、髄質から発生する褐色細胞腫があり、それぞれ治療法が異なるため、正確な診断が必要です。

そのため先述したような症状がみられたら、早期に動物病院を受診しましょう。

副腎腫瘍の中でも、特に褐色細胞腫の場合は、状態が不安定なため、急に容体が悪化し、命を落とすこともあるため注意が必要です

また、治療予後も悪い傾向があるので、注意深く経過観察をしましょう。

 

まとめ

先ほど述べたような症状が見られた場合、動物病院にご相談ください。特に、多飲多尿は最も見られる症状の1つです。普段の飲水量は個体差が大きいので、愛犬・愛猫が普段どのくらい水を飲んでいるか把握できると異常に気付きやすいと言えます。是非観察してみてください。

 

当院では2022年11月現在、全国で14名のみが認定を受けている「日本小動物外科専門医」の資格を持つ院長を中心として、飼い主様に寄り添ったやさしい医療をご提供できるよう日々研鑽を続けております。

愛犬愛猫の副腎腫瘍について気になることや疑問点などがありましたら、当院までご相談ください。

 

■日本小動物外科専門医の資格についてはこちらをご参照ください

 

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